2021-06-23 その人は昔の故郷へ 舟木一夫 熱い砂の上をただひたすら歩いた。 一歩一歩歩いていく。 風が熱い砂を足にピシピシと飛ばしてくる。 細かな砂の上をえりも岬を目指して歩く。 砂の断崖があった。 その断崖の下はどこまでの平らな砂浜だった。 飛び降りてみたくなった。 でも、どうやって上がればいいのかわからないのであきらめた。 10代だったら、飛び降りて、飛び上がっただろうか。 その人は昔を映画館で見たのは、15歳だった。 百人浜の熱い砂をただひたすら歩いていく